メディア掲載 【フジサンケイビジネスアイ】ストレスオフ組織の作り方「オフ活」でマイペース取り戻す

いよいよ2017年が幕を開けた。新年を迎えると必ず「今年こそは…」とリベンジ宣言から始めていたが、今年はついに「昨年に続き、××するぞ!」に。16年は筆者の“ストレスオフ元年”。自分と向き合う時間ができ、ようやくやるべきことに取り組めるようになった。

正月ムードが落ち着き日常を取り戻すと、世間ではこんな会話が聞こえてくる。「ストレスで胃が痛いよ」「ストレス解消に飲みにいかない?」。果たしてどれだけの人がストレスをマネジメントできているのか。筆者が数年前に過労で心身のバランスを崩した経験からストレスオフの重要性に目を向け、当社で取り組み始めたのが「オフ活(ストレスオフ活動)」だ。緊張感や気合を持って挑む外向きの「オン」の意識から、内面へ向き直って自分自身を見つめマイペースを取り戻す「オフ」の意識にスイッチする活動だ。

オフ活を一人で続ける困難さについては「組織を成長させる『休み』とは?」(昨年11月28日掲載)でも取り上げた。一人ではなく、組織と、家族と“一緒に”行うことが効果的だ。この“一緒に”は当社が大切にしている「居場所」ができること。そこで社内では睡眠改善インストラクターをはじめ数種のヨガインストラクターの資格などを取得した女性社員がオフ活トレーナーとなり、主に朝、夕にオフ活を行っている。

まず、正社員が全員参加する朝活。各自冷蔵庫から野菜ジュースか、セロトニンを増やすといわれる豆乳を選ぶ。主に筆者が話をするが、大切なのは社員同士が顔を合わせること。「おはよう」と声を掛け合うグルーミング行動で調子を確認することを毎日欠かさず行う。

「お疲れさま」とねぎらい合う終礼は2回。1回目は派遣社員の定時である午後5時、2回目は同8時だ。周りを気にして帰れない、そんな社員のためのタイミング作りの意味合いも大きく、筆者が体調を崩した当時は多くが終電に駆け込むような毎日だったが、今は随分早く帰宅できるようになった。終礼ではストレッチも行うが、これは快眠のためのオフ活。就寝時に低下する体温との温度差が大きいほど、良い眠りにつけるとされているからだ。

このほかオフ活トレーナーの指導の下、仕事の合間に行う瞑想(めいそう)や椅子ヨガもある。会議も集中力の区切りとされる45分制にするなどの工夫で、脳のストレスオフだけでなく、業務のパフォーマンスも向上した。

実はこれらのオフ活は、すべて当社の「オフラボ」という研究所で行った調査・研究による検証に基づいている。「ストレスオフする」というと休みや睡眠さえ取ればいいと思われがちだが、ずっと奥が深い。立証された方法や内容が重要と考え、脳科学者や製薬会社とともに研究している。将来はオフ活やオフ活トレーナーの社会への普及が、筆者の目標。今年が誰かの“ストレスオフ元年”になるよう前進していきたい。(原稿:代表取締役 恒吉明美)